子どものための新型コロナウイルス感染予防策

子どものための新型コロナウイルス感染予防策

子どものための感染予防策

現在(2020年3月2日時点)のところ、乳児~小児の新型コロナウイルス感染者は少なく、重症化しにくいと言われていますが、報告例も少なくわかっていないことも多いので、大人と同様にこれまでご紹介した予防策を積極的にとっていきましょう。

乳幼児期のお子さんは、手を使ってさまざまなものを触ったり遊んだりして発達していく時期です。そのため、手を使って鼻を拭いたり目をこすったりし、その手でおもちゃを扱ったり、他の人に触れたりする可能性が高く、マスクの着用も困難であるかもしれません。

そうしたお子さんの行動に合わせた予防策としては、

  1. 外出時のこまめな手洗いや手指のアルコール消毒
  2. テーブル、おもちゃ、ドアの取っ手などの洗浄・アルコール消毒
  3. 保護者は、子どもの手洗いを可能な範囲でこまめにすることを心がける
  4. 人混みを避ける
  5. タオルなどを他の子どもと共有しない

などが挙げられます。

ご自身も感染予防策を行い、お子さんへの感染を防ぐこともとても大切です。また、小児で無症候の感染報告もありますので、基礎疾患がある方や高齢者の方など重症化しやすい方とお子さんの接触を控えるようにしてください。お住まいを訪れる、一緒に遊びに行くといった約束は延期にしたり、電話やタブレット画面でお話をしたりと、感染予防を優先したコミュニケーションを工夫してみてください。

その他、子どもの感染時の症状、受診の目安、乳児期の母乳による授乳などについては、以下の日本小児科学会のサイトをご覧ください。

参考リンク:公益社団法人 日本小児科学会 新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(2020年8月27日更新)について(外部リンク)

また、呼吸器疾患(喘息のあるお子さん、低出生体重児であったり何らかの呼吸器疾患で呼吸管理をしているお子さんなど)、心疾患、免疫不全状態(先天性免疫不全のお子さん、ステロイドや免疫抑制剤、抗がん剤などの治療を受けているお子さん)では、他の感染症と同様、悪化のリスクがあります。

活気がない、ぐったりしている、呼吸が苦しそう(呼吸がはやい、胸壁を大きく動かして懸命に呼吸している様子がある)、食事や水分がとれない、発熱が数日つづくなどの症状があれば、医療機関を受診してください。

疾患によってもリスクが異なりますので、基本的には、普段の受診の目安に従って受診するのがよいでしょう。主治医の先生に、どのような場合に受診が必要かを確認しておきましょう。

子どもの心へのまなざし(新型コロナウイルスについて子どもと話すときに

大人たちの会話を聞いたり、ネットやテレビのニュースなどを目にする中で、子どもたちも、子どもたちの視点・理解で、新型コロナウイルスの情報を受け取っています。

子どもたちが遊びの中で、新型コロナウイルス感染発生など、今回の事態を表現する様子が見られたときは、まずは無理に止めずに見守りましょう。もし、やり取りの中で誰かがつらい思いをする結果になりそうになったときなどは、なるべくモヤモヤが残らない形で遊びが終えられるようにサポートしてあげてください。

実際に感染した家族がいるなど、対応する必要があるときには、子どもが理解しやすい例えを使い、以下のように、丁寧な表現で伝えてみてください。

  1. ○○(感染した家族当人)は熱があること。そのためにお休みする必要があること。
  2. △△(お子さんの名前など)にうつらないように、別々のお部屋で過ごす必要があること。
  3. 回復の見通しがわかっていたら、見通しを伝える(**日くらいだよ。**まで様子を見てまた伝えるね。それまでに心配なことがあったら言ってね)。
  4. ほとんどの人は回復すること。
  5. 子どもの疑問や不安を受け止める(「気になっていること、心配なことがあったら、いつでも言ってね」と伝えるなど)。

お子さんが安心できる方法は、いろいろあります。感染して部屋を別にしている家族がいるなら、タブレットやスマートフォンを使ったオンライン通話で、いつでもコミュニケーションがとれるようにするなど、工夫してみてください。

学校や保育園・幼稚園のイベントが変更になったときなどは、その事実について丁寧に伝え、そのときのお子さんの気持ちを受け止めてあげてください(「嫌だったね」「悲しかったね」など)。

お子さん自身の感染により、学校や保育園・幼稚園の行事が取りやめになることもあるかと思います。けれども、誰かが悪いわけではありません。お子さんの気持ちを受け止めた上で、実際に今感染しているお子さんを労わるようなコミュニケーションを心がけ、「誰かを悪者にするのではなく、お互いを労わる言葉がけ」をすることを心に留めていただけたらと思います。

※記事とは一部内容が異なります

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