マスクの着用がむずかしい人のタクシー利用について、国交省とタクシー会社に聞きました

マスクの着用がむずかしい人のタクシー利用について、国交省とタクシー会社に聞きました

東京都内10のタクシー事業者が申請していた「運送約款」の変更を、国土交通省が2020年11月4日に認可しました「正当な理由」なくマスクをしない乗客の拒否を可能にする内容で、これを受けて、日の丸交通は11月7日より約款を変更したと発表しています。

タクシー事業者のこのような対応の背景には、酒に酔ってマスクをせずに大声で話す利用者に対する乗務員の不安があるようです。しかし、感覚過敏などで、マスクの着用がむずかしい人もいます。

そこで、「正当な理由」にはどのようなものが当てはまるのか、国土交通省と日の丸交通に問い合わせました。両者の想定する「正当な理由」とは、病気や障害のある人や、乳幼児で、感覚過敏なども含まれるとのこと。また、日の丸交通は、基本的にマスク等の装着無しでも運送を継続する方針とのことです。

問い合わせの詳細は以下の通り。

国土交通省の回答

国土交通省には2020年11月9日に電話で問い合わせました。自動車局旅客課の担当者によると、「正当な理由」には、ぜんそくなどの病気や障害などでマスクの着用がむずかしい人。乳幼児などマスクを着けると熱中症の危険などがある場合を想定しているそうです。

また、感覚過敏などでマスクがつけられない場合についても「正当な理由」に含まれるということでした。

日の丸交通の回答

日の丸交通には11月9日にメールフォームにて問い合わせ、19日に担当の西川様から以下の回答をいただきました(質問内容にURLリンクを補足)。

1.乗客のマスク着用に関して、具体的にどのような対応をしていますか?
(例:乗務員からマスク着用の呼びかけや、掲示、マスクの配布など)

【回答】
左後方ドア及び車内にマスク着用のご協力をお願いするステッカーを掲示しています。また、車内にマスクを常備して乗務員より飛沫感染防止対策へのご協力のお声掛けをさせていただいております。

2.約款の変更前後で対応は変わりましたか?

【回答】
変更前は乗務員からお客さまに対して、飛沫感染防止対策へのご協力をお願いすることはありませんでしたが、変更後はお客さまへ飛沫感染防止対策へのご協力のお声掛けをさせていただく場合があります。

3.「呼吸器疾患などの、やむを得ないご事情によりマスク等を装着できない場合には、お気軽に乗務員に、その旨をお伝え頂きご対応させて頂きます」とありますが、「やむを得ないご事情」とはどのようなものですか?感覚過敏は当てはまりますか?

【回答】
アトピー性皮膚炎、呼吸器系持病、乳幼児(2歳未満)等、または日常的にマスク着用が困難な場合は除外対象となります。当社方針として基本的には運送を継続することとしており、現状はマスク等の装着無しでも乗車いただいております。

4.マスクの着用がむずかしい人が、スムーズに乗車するための対応は何かありますか?(例えば予約時にマスクが使えない理由を伝えるなど)

【回答】
現在は、乗車の際にお客さまにお声がけをさせていただくのみとなっております。

5.その他、感染症対策として行なっていることはありますか?

【回答】
定期的な車内消毒のほか、運転席と後部座席の飛沫感染防止のため飛沫感染防止ボードを装備しております。

6.感覚過敏に関して、下記のような取り組みはご存知でしょうか?
感覚過敏でマスクやフェイスシールドを付けられない人向けの意思表示カード| 感覚過敏研究所
https://kabin.life/archives/1633

【回答】
詳細は存じません、世間的にマスク等の装着が必須になりつつある現状に対して、目に見える形で意思表示できることは当事者にとっての手助けになると思います。

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