人が人を思う思いやりから始まる行動と拡がるネットワーク【とどけるラジオ#21 アーカイブ&文字起こし】

人が人を思う思いやりから始まる行動と拡がるネットワーク【とどけるラジオ#21 アーカイブ&文字起こし】

本ページの記事は、2020年4月〜2021年3月にかけて「とどけるプロジェクト」で制作された記事です。 古い情報が含まれている可能性がありますのでご了承ください。

新型コロナウイルス感染症(COVID–19)に関する必要な情報を、さまざまな不安や困りごとのある方に届ける「とどけるプロジェクト」では、2020年6月より音声コンテンツ「とどけるラジオ」を、週の始めの月曜日20:00から配信しています。

このnoteでは、これまで配信したラジオのアーカイブ音声と共に、文字起こしテキストを掲載します。「ラジオの内容をもう一度聞き返したい」「文字で読みたい」などなど、ご自分にあったかたちで楽しんでいただけると嬉しいです。

とどけるラジオ#21 —「小さな思いやり」が行き交い、拡がる子ども食堂のあゆみと、地域の未来

今回は、12月14日に配信した第21回のアーカイブ・文字起こしです。一般社団法人ともしびatだんだん代表理事の近藤博子さんをゲストに迎え、八百屋からこども食堂が始まったきっかけ、思いやりと小さく始める行動の重要性などについてお話しいただきました。

■音声アーカイブ

■文字起こしテキスト

鈴木悠平(以下、鈴木):皆さんこんばんは。12月14日月曜日、夜8時となりました。今夜も「とどけるラジオ」の時間です。毎度司会進行を担当しております「とどけるプロジェクト」共同代表の鈴木悠平です。

今夜がですね、6月頃から約半年配信してきましたこのラジオ、一応年内ひとくくりというか、年内最後の配信となります。いつも聴きにくださっている方、ありがとうございます。また年明け以降も、どういった形で皆さんとお話していくかとか、また企画してご案内できればと思いますが、年内最後ということで、お付き合いください。

えー、だいぶ寒くなってきまして、朝、布団から出るのがなかなか辛いなという感じになってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ちょうどさっきニュースで、GoToトラベル年末一時停止するというのも見ましたが、冬になってまた感染者数の数も増えてきているという中で、皆さまも心配な部分があると思います。引き続き、それぞれに感染予防をしながら、お互いできることを寄せ合って、過ごしていけたらなと思っています。

年内最後ということで、改めてなんですが、毎週このゲストをお招きしてやっているとどけるラジオですが、「とどけるプロジェクト」という有志同士が2月に立ち上げた任意の活動の中の一環としてお届けしております。コロナの話を冒頭にしましたが、2月から日本にCOVID–19が広がっていく中で、いろんな感染予防とか、日本や世の中全体に関することは、マスメディアとか政府行政の発信でも皆さんキャッチされているところだと思いますが、そのあと、具体的に皆さんそれぞれ、お仕事や年齢、あるいは障害や病気があったりとか、暮らしている地域の状況とかによって、同じ感染症でも、経済的に・心理的に・社会的にさまざまな影響が出ていて、「そこはなかなか拾われていないな」とか、いろんな相談の声が集まってきたところで、「個別の、一つひとつの困りごとに対応するようなサポート情報を届けていこう」ということで始まった団体になります。

これまでウェブサイトですね、なかなか報道されにくいところの困りごとと、そこに対して「こういう相談窓口があるよ」とか、「こんな対処法があるよ」とか、いろいろな方のお力を借りながら、記事にまとめてきました。またそれをチラシとかパンフレットとかで、オフラインで地域に届けたりとか、そういった活動を1年近くやってきています。

このラジオはですね、インターネットの記事でも情報発信しているんですけど、耳だけでですね、ちょっとご飯とかお風呂の前後の夜の時間ですね、平日夜の時間に、あるいはアーカイブでそれぞれのタイミングで、ちょっとほっとできる時間に、耳だけでもですね、少しリラックスしながら、コロナのことだったり、その中でいろんな活動をされている方のお話を聞きながらですね、ちょっと考えるような機会にできたらなと思って、やってまいりました。

で、今回、年内最後というところですね、今夜のゲストは、近藤博子さんという方をお招きしています。「だんだん」という、ちょっと僕がイントネーションが合っているのか分からないのですけど、東京の大田区の方でですね、八百屋さんを営まれていたんですけど、その中で、子どもが気軽にひとりで食べに来られるという、だいぶ広がったので皆さんも聞いたことがあるかなと思うんですけど、こども食堂という取り組みを始められたりとか。その過程で、いろんな地域の人と、いろんな物を持ち寄りながらですね、場を営まれているというような、近藤博子さんをお招きしています。

これも「とどけるプロジェクト」のメンバーからおつなぎいただきまして、今日先ほど、私もZoomごしで、はじめましてとしたところなんですけど。ここからですね、近藤さんをお招きして、いろいろお話をお聞きできればと思います。近藤さん、改めまして、こんばんは。

近藤博子(以下、近藤):こんばんは。

鈴木:はい。どうもよろしくお願いします。

近藤:よろしくお願いいたします。

鈴木:はい。今日はお時間いただいてありがとうございます。

近藤:いえいえ、こちらこそありがとうございます。

鈴木:はい、事前にですね、メンバーから近藤さんをぜひラジオにと紹介いただいて、近藤さんが紹介されているインタビュー記事も読ませてもらってて、すごく楽しみにしていました。

近藤:ありがとうございます。

鈴木:というのは、私たち「とどけるプロジェクト」も2月以降、僕がひとりでやった訳でなくて、「こういうこと必要だよね」みたいな声をかけあって、気づいたらこうやって、ラジオを含めて、みんなにいろんな力を足してもらいながらこの1年間やってきたんですけど。近藤さんも、地域の中でいろんな人と自然につながりながら、こども食堂に限らずですね、多種多様な場とかつながりを作られていて、これは素敵だなと、インタビュー記事越しですけども、すごくお話を聞くのを楽しみにしておりました。

近藤:ありがとうございます。

鈴木:はい、では私の前置きが長くなりましたが。近藤さん、改めまして、リスナーの皆さん向けでもありますけど、自己紹介と、大田区での「だんだん」の活動を、簡単に概要を紹介いただければと思います。

近藤:みなさん、こんばんは。ただいまご紹介にあずかりました、近藤と申します。東京の大田区、JRの蒲田の駅からですね、池上線で一つめの蓮沼という、ちょっと大田区の人でもなかなか降りたことがないという、小さな駅で、駅から1分のところの場所で、八百屋を営んでいます。もともと八百屋だったわけでじゃなくてですね、歯科衛生士という仕事をしながら、今も八百屋をやりながら、という活動をしています。

2008年に八百屋を始めて、それから子どもの学習のお手伝い、それから大人の学び直し、こども食堂、もろもろの活動を、地域の方たちの声に合わせて活動をしてきて、企画書なんか何もないところから始めて、今のような形になったということで、本当にみんなの声を聞きながら、少しずつ作ってきたという場所でございます。子どものイベントや大人のイベントもいろいろやっております。

気まぐれ八百屋だんだん

だんだん facebook

八百屋という開かれた場の始まり

鈴木:はい、ありがとうございます。地域の声とともに、そこにあわせていろいろな活動が広がっていったということで、今、自己紹介いただきました。もともと八百屋を、八百屋の前は歯科衛生士の仕事をしていたところ、途中からそういったお店、「場を開く」ということをされた訳ですけど、きっかけといいますか、そういうことを、まさに地域の声とかがあったと思うんですけど、やってみようかな~みたいな、最初の始まりのことをお聞きしてもよいですか。

近藤:八百屋の始まりですか?

鈴木:はい。

近藤:え~っとですね、常勤で働きながら、やはり健康は食べることからだろうということが、すごく私の中にありまして。歯と食と健康っていうのをつなげたいなという思いと、それから、たまたま家庭の事情などもあって、常勤をやめて、子どもたちが活動や生活をしているエリアの中でいろいろやってみたいなという思いがあって。やっているところに、週末の、週末だけの野菜の配達をやってみないかという話が突然舞い込んできまして。商売も経験したこともないし、お金もないのですけど、結局断り切れなくて。週末だけの、まあ配達の部分だけだったらなんとなるかなみたいな、そんな感じで始めたというのがきっかけですね。

鈴木:そうなんですね。「自分からやるぞ!」というのよりは、声を掛けてもらって、外からきっかけがやってきたみたいな、なんですね。

近藤:そうですね。

鈴木:配達から、そして八百屋という店舗に移っていき、そこから大人の生涯学習の場とか、いろいろ広がっていったということですけど、やっぱり八百屋さんって、商店街の八百屋さんとかって、そこで地域に根ざしてお仕事をしていると、もちろんいろんな人の声とかって、商売していると自然に入ってくると思うんですけど、そこからようは八百屋という商売にとどまらず、声を踏まえていろんな活動をやっていくというのは、いろんなきっかけとか必要なエネルギーがあったと思うんですけど、それは、どんなふうにして始まったんですかね。

ちょっと今ムスメが帰ってきたんで、声が入ってますけど(笑)。

近藤:かわいい声ですね。

鈴木:妻と二人で外でご飯を食べてきたみたいです。

近藤:そうですか~。

鈴木:(笑)。

近藤:えっとですね、なんて言ったらいいのかな。個人商店って、八百屋でも何でもそうなんですけど、人が買い物にきたときに、いろんな身の上話をしたりとか、いろいろ話を落として行く場所なんですよね。その場所で聞いてしまったこととか、見てしまったことというのは、放っておけないというかね。そういう部分もあって、「じゃあそれ、こういうの始めてみようか」とか、そういうことから始まってきて。そんなに大きいことをやろうと思っている訳じゃないので。本当に1、2人からでもやろうと。そういう気持ちがずうっと今まで続いていますから、自然にそういうふうにやれちゃうというんですかね。で、それを見て、「おお、大丈夫? 大丈夫?」「そんなことして大丈夫?」と思った人が手伝ってくださるみたいなね、そんな感じかなと思いますね。だからみんなで作ってきているという感じですね。

鈴木:ああ、そうですか。ちょっと若輩者の僕が分かりますというのもアレですけど、この「とどけるプロジェクト」もそんな感じで、そんな大きいことをやろうと思っていた訳じゃないんだけど、お医者さんやってるとか、NPOやっているとか、自分に障害があってとか、知人友人が連絡をくれて。僕は八百屋はできないんですけど、文章書いたりはできるんで、「じゃあインターネットで情報発信してみるか」みたいな。「コロナもまあまあ数ヶ月ぐらいで収まるんじゃないかな」「ちょっとみんなでやってみる?」みたいな、で、気づいたら、1年ぐらい経つみたいな感じで(笑)。でもなんとなく、企画書もないけどこんなふうに進んでいますというのは、分かりますというか、あれよあれよ、という感じですよね。

近藤:そうですね。で、例えば「ここにこんなお金があるから、これを使うためにこういう企画をしよう」とか、そういうことでなくて、やれるところでやれるようにして、やろう、というスタートなので、本当にダメならやめることもできますし、工夫してやり替えてみることもできるし。そういう部分では、作りながらっていう、進めながらいろいろ作ってきたっていう、そういう感じですね。だから鈴木さんのおっしゃることは、私もよく分かりますね。

鈴木:だからさっき、八百屋やりながらいろんな声が集まってきて、それをなかなか放っておけないというか、もちろん自分ひとりで大したことできる訳じゃないんだけど、1回聞いてしまったら気になっちゃうというか、そんな感じですよね、きっと。

近藤:そうなんですよね。自分にはできないけど、「そういえばあそこにああいう人がいた」「もしかしたらあの人ならやってくれるかも」とか、「アドバイスくれるかも」とか、そういうつながりを今までずっと、利用させていただいた、というのも変ですけど、それでやってきたというのが、正直なところですね。

「隣の人はなぜ何もしない」のショックから始まったこども食堂

鈴木:その中で、本当にいろんな活動をされていると思うのですけど、その一部でありますけどトピックとしてお聞きしたいと思ったのが、今ではすごく広がっているこども食堂を最初に開かれたのが近藤さんだとお聞きしていまして。それがどういうやりとりがきっかけで、「まあちょっとやってみよっか」ということになったのかなと、お聞きできれば。

近藤:そうですね、「こども食堂」という名前で始めたというところが、私が最初と言われているんですけど。もともと、放っておけない人たちが子どもたちに食べさせたりということは、されていたと思うんですけど。

たまたまね、買い物にいらした小学校の副校長先生が、その年に入学してきた1年生の中に、ひとり親家庭で、お母さんが体調悪いときはご飯が作れないから、小学校の学校給食以外はバナナ1本で過ごす子どもがいるんだよね、で、その子どもに副校長先生がおにぎりをにぎってきて、朝保健室で食べさせて、それでお昼の給食までつないでいるというお話をされて。

私はすごくそのときに、切なかった。バナナを食べている子どもの姿を想像したときに切なかったんですよね。「なんでそういうことが日本の中で起こっているんだろう」というのと、それから、そのとき一番悲しかったのは、やっぱり、「隣の人たちは、いったい何をしているんだ」っていう。

鈴木:ああ~。

近藤:その気持ちがすごく強かったですね。私は田舎で育っていますから、誰かがなんか大変なことがあったりすると、誰かが手伝ってあげたりとか。そんなにみんな余裕がある訳じゃないけど、でもできないことで困っている人は、できる人がお手伝いする、みたいなね。そういう社会で育ってきたので、隣の人は何も気づかないのかなっていう。それがすごくあったんですね。今、こども食堂は「貧困の子どもを救わなきゃ」という部分が強かったりするんですけど、私がやり始めたときは、そういうことはまったく頭になくて。「なんで隣の人は何にもしないの」というね、そういう気持ちの方が強かったですね。学校の先生がお忙しいのに大変だったら、食べることぐらだったら地域のおばちゃんがね、なんかお手伝いできるんじゃないかなという、その気持ちだけでしたね。

鈴木:なるほど。そうですね。隣近所の人たちが、やっぱり田舎とかと違ってなかなかお互いの情報が届きにくかったりとか、あるいは日頃からやりとりするような関係がつながっていなかったりとか、多分背景にはいろいろあるんでしょうけど、それを知ったときの、近藤さんのショックだった気持ちというか、そういうのがすごく印象に残っていたということなんですね。

近藤:そうなんですよね。それですぐ副校長先生に、じゃあここで、もともとね、借りているのが居酒屋で、居抜きの場所だったので、汚いけど厨房はあるし、なんとかすれば、みんなで温かいご飯と具だくさんの味噌汁ぐらい食べられるかな、ということで、「ここでご飯を食べることができればいいんじゃないですか」というような提案をしたら、「そんなことができたら、うれしいわね」みたいな、そういう言葉だったんですよね。でもその当時は多分ね、そんなことできないだろうと思いながらも、先生はそう答えてくださったんだろうと思うんですけど。

まあ先生がそう言ってくださるんだったら、ちょっと仲間に声かけてやってみようかな、というのがスタートで、翌日から仲間に声をかけて、会議を何回かしたんですけど、結局ね、なかなかどういうふうにするかが決まらなくて、時間が経ってしまって、その子が児童養護施設に入っちゃったということを見たんですよね。でも私たちが食事を出しても児童養護施設に入らなくてもよかったという訳でもなかったと思うんですけど。でも、やろうと言って動いていたのに、何もその子に対してはできなかったというのが、すごく私の中では、くやしいと言いますか、「ダメじゃん!」っていう思いがあって。それでもう、とにかく、「カレーでいいじゃん! カレーで作ってやっちゃおうよ!」という。そういうところから、2012年にスタートしたという状況ですね。

鈴木:あぁ~、そうだったんですね。なかなか新しいことを始めるのもエネルギーがいりますし、すぐ始められるものと、そうじゃないものもありつつも、でもやろうと決めて、カレーでもいいじゃんとか、やると決めてすぐできる範囲でまずやってみるところとか、すごく参考になるなというか。最初から大きなことをやろうとすると、かえってなかなかスピードがそがれちゃうというか。

近藤:そうですね。やっぱり大きなこととかを考えてしまうと、「失敗したらどうしよう」と思っちゃうんですよね。そこにすごく例えば投資しちゃうと、そこを回収できなかったらどうしようという気持ちになっちゃうんですけど、極力小さくやれば、失敗してもその時点でもう1回やり直せばいいやというのがありますからね。それがすごく大事なことかなと思いますね。

鈴木:そうですね。なるほど。少し身軽なというか小さなところからやって、でもやってみるとまた、いろんな反応と、「手伝うよ」という声とか集まって、また新しい困りごとが見つかって、「じゃあこれやってみようか」と。きっと、そういうのを積み重ねながら今日に至ったんだろうなと思うんですけども。それでやっぱり気になるのが、今年のCOVIDの影響ですよね。

COVID–19で取り組みが拡がると人の関心も拡がった

鈴木:もともとそういう地域に開けた八百屋で、日頃のやりとりの中からいろんなことが生まれてきたっていうことだと思うんですけど、今年は、なんと言いますかね、集まりにくい、要は雑談が発生しにくくなった1年だったと思うんですよね。良くも悪くも。その中で結構変化もあったと思うんですけど、こういう工夫をしてみたとか、あるいは地域の人たちのいろんな気持ちや様子の変化とかあったと思うんですけども、どうでしたか。ちょっとバクっとした聞き方になっちゃいますけど。

近藤:そうですね。最初に広がっていきそうだなと思ったときに、2月の後半ですかね、うち、毎週木曜にこども食堂をやってたんですけど、ちょっとお休みをして様子を見ていたんですね。それで落ち着く方向に行くかなと思ったら、逆にばーっと広がって、長期休校とかになっちゃって。そうなったらですね、お母さんたちの悲鳴ですよね、どうしようというのがすごく聞こえてきて。

それでその中で、じゃあ、ランチをね、毎日なんとかやろうかということで、スタッフと相談して、予約でランチ、お弁当を始めたんですね。それでいろいろやりながら、その中で、お母さんたちのヒアリングをしてみたりとか、それを行政に声として届けたりとか、まあいろんなことをやっていたんですけども。

それをやっていくとですね、地域の青年会議所さんたちが、「商店の人も大変ですし、食べることや親御さんのことたちも考えたいし」ということで、お弁当を協力してくださって、お店のお弁当を食べられるようにしてくださったりとか、そういういろんな協力してくださる方が出てきて。そうすると、今まで関心のなかった、こども食堂とか、子どもの大変な状況に関心がなかった人たちも、少しずつ、関心をもってくださるようになったんですね。

鈴木:ああ~。

近藤:そういう状況も起きてきて、ちょっと私もビックリしていたんですけど。

鈴木:あっ。なるほど。

近藤:お母さんたちは、やはり子どもが精神的に不安定になったり、お母さんやお父さん自身も大変な思いをしたりとかしていて、それちょっと大変だろうなと、みんなで話す場もなくなったから大変だろうなと思って、ある時期、100円の野菜コーナーを作ってですね、外に並べて。今まで買ってくれたこともないような人たちも、目を止めて。100円ですからね、買ってくださったり。その過程で、買ってくださる方同士で、外でちょっとずつお話をしたりね。そういう交流もあって、少しみんながその時期は、心が和らいだかなっていうふうに思います。

鈴木:へ~!

近藤:そんな感じで、いろいろ、今までとは違う関わりをもつことができたかなと思いますね。

鈴木:そうなんですね。いろいろ不安や大変なことはもちろんあって、それは今も進行形であるんですけど、このコロナをきっかけに、新しい出会いとか、新しいやりとりとかが生まれるきっかけにもなったなっていうのは、今の近藤さんお話もそうですし、僕自身もすごく感じましたね。

近藤:そうですね。今まで子どもたちにあまり関心のなかった人たちも、「ああ、今子どもたちがとっても大変だね」ということを感じてくださったり。なので、いろんな、大なり小なりの寄付を持ってきてくださったり、「子どもたちにこういうのどうかしら」って、子どもたちにちょっとかわいいタオルをくださったりとか。本当に、思いやりですよね。地域の方たちのそういう思いやりが今までとは違う形で表れてきているかなと思いますね。本当にありがたいんですけどね。

鈴木:本当にそうですね。2月3月の一斉休校のときとかも、そういうのを見て、この活動をやってみようかと始めたのもあったのですけど。あの時期って、みんなちょっと、緊張・警戒モードとというか。2月3月からゴールデンウィークぐらいまで。で、今こうやって感染者数増えたり下がったりしながらも、でもまだ来年も続くだろうなという予感をみんな持ちながらも、ある程度日常化してきたというか。感染対応しつつ、皆それぞれの考えで、再び集まったり、オンラインでできること内でしたりということで、日常が組み変わっていった感じかなというふうに思うんですけど。

近藤さんたちの地域の方では、いろいろ経た上で、ここはなんだかんだ本質的に変わらなかったなとか、一方で、コロナをきっかけに新しい動きが、さっきもちょっとお話しいただきましたけど、新しい物が生まれたとか、この辺やり方を工夫をして変えていったとか、その辺ってどうですかね。

鈴木:そうですね。でもね、ひとり親家庭だったりすると、パートをいくつも掛け持っていたのが急にお仕事がなくなったりとか。あとね、お母さんたちのすごく大変というのは、家でご飯を食べることが多くなったのとかしてますので、食費もかさみますし、作るということがすごく大変ですよね。毎回毎回ね。そういう大変さもすごく増えている。それから収入が減った分、食材の購入に困ったりとか。あとはローンが払えるだろうかという不安にかられている人とか。なんかね、コロナでいろいろ生活なんかは変わってきて、その中で変わらずにやれていることもあると思いますけど、大部分が、すごく生活自体、変わってきたんではないかなと思われますね。

なので、私たちができることって、今までもずっと変わらずに、食べることは一緒にできないけど、ずっとお弁当で対応していますし。お弁当を取りに来てもらうというところで、子どもたちとの会話がね、今まではガヤガヤしててなかなか役目果たせなかったけど、意外とお弁当を渡すときに、ちょっと話せたりとかね。慣れてくると子どもたちも、冗談っぽく笑顔で話ができたりとか、そういうことができるようになったので。コロナのおかげで、わりときちんと会話もできるようになったということもありますけど。まあ、お母さんお父さんたちの不安というのも解消されないな、というのと、リモートで仕事できるお父さんお母さんも、とても疲れていますね。

鈴木:はいい!!

近藤:(笑)。本当に。会社に行かなくて仕事ができるという良さもありますけど、ずっと家で仕事をしなければいけないという、「つまった空気感」と言うんですかね。それですごく逆に疲れが出てきている人たちもいて。野菜を買いに来たりすると、そこで若いお母さんなんかもね、さんざん愚痴って帰ったりですね。そういうこともあるんですけど、でもそういう場所もあるということで、それはそれでよかったのかなぁと思っていますけどね。

鈴木:うん、いやぁそうですね。今、そういう変化がありながらも、ただ集まって食べられなくなったけど、お弁当を渡すときとか、日常の中で変わりながらもコミュニケーションの機会を絶やさないように、近藤さん、されているんだろうなと思ってお聞きしたんですけども。

地域の中での関わり方のヒント

鈴木:だから、コロナがあろうとなかろうと、というところだと思うんですけど、最後にちょっと近藤さんにお聞きしたいのが、地域でみんなと一緒にいろんなことをしていく中で、大事にしていることとか、他の人とこんな関わり方であるとか、近藤さんのまなざしとか、関わり方みたいなものを、最後お聞きできればなと。というのは、リスナーの方でも皆さんそれぞれの地域で、いろんなお仕事をされている人が聞いてくださっているんですが、何かヒントになればなと思って。近藤さんのスタイルを少し、お聞きできればと思うのですけど。

近藤:そうですね、スタイルというほどのことはないんですけど。私にできることって、本当に小さなことしかできないんですよね。自分にできることと、できないことっていうのは、きちんと自分が理解して、できないことはね、できる人に頼んじゃう、相談しちゃう、任せちゃう。そういうことってすごく大事だなって思います。自分だけですべて抱え込んでしまっても、たとえそれができたとしても、それはもう、自己満足の世界で終わってしまいますから。いろんなことに長けている人たちが周りにたくさんいらっしゃいますので、そういうネットワークっていうかね、作って、お互いが助け合って、良くなっていくってね、そういうことってすごく大事だなって思っていますし。お母さんや子どもたち、スタッフともそうですけど、「いい頃加減の距離」ですよね。

鈴木:はい。

近藤:いい距離感をもって、あまりベタベタしないとかね。私がなんでも手伝ってあげるとか助けてあげるみたいな、そういう強すぎる思いって、なかなか近寄りがたくなっちゃう。できるだけそういうオーラは出さないように、まあ出せないんですけれど(笑)、こう、ゆるゆるとした雰囲気でやっているというのが、一番いいのかなって思っています。

鈴木:そうですね。

近藤:だけど、そんな中でも、来てくれる子どもたちとかお母さんたちとかの変化には、できるだけアンテナを立てているつもりですね。そんな感じですね。

鈴木:ああ、ありがとうございます。背負いすぎないというか、お互いできることとできないことがあって、その中で、ほどよい距離感で協力できるところはして、みたいな。そういうゆるさがあることで、少し自分自身の気持ちや体の余裕も保てて。だからこそ、一人ひとりの変化に対しても、アンテナを向ける余裕がもてるのかなって。今、2つのお話が実はつながっているのかなって、お聞きしていて思いました。

近藤:そうですね。ゆるゆるやっていた方が、まあ私頼りなさげなので、周りの人たちがいろいろ協力してくれるのもありますし。とにかく、人が人のことを思える、思いやりを大事にしたいな、というのが私の一番の気持ちなので、そういうことをね、大人も子どもも気づいてもらえるといいなと思いながら、まあこども食堂なんかもやっていますし。小さいお子さんを抱えたお母さんたち、今本当にとっても大変で、行き場がなかったりしますから、そういう部分で、「お灸カフェ&産前産後保健室」なんてのもやっているんですけど。

鈴木:へえ。

近藤:ゆるゆるね、行ける場がある。あそこに行けばという、そういう場が作れればいいなと思いながら、いろんな人たちの力を借りてやっている、という部分で。まあ、頼ることがすごく重要かなって思いますね。

鈴木:いやぁ、そうですね。僕も頼りまくってますね、みんなに(笑)。
ありがとうございます。あっと言う間でしたけど本当に、あったかい気持ちになる時間でした。お話させてもらえて嬉しかったです。

近藤:こちらこそ、ありがとうございます。

鈴木:ありがとうございます。じゃあ最後に、リスナーの皆さんにクロージングのご挨拶をして、配信終了となります。今日、ゲスト近藤博子さんをお招きしてお話ししてきました。皆さんいかがでしたでしょうか。

ということでですね、冒頭でもお話しましたが、年内今日、最終回にして、ちょっと冬休みと言いますか。来週ムスメがちょうど月曜日、3歳の誕生日で(笑)。そうしたら次の週も年末だし、ということで、一応今日を年内最後にして。

でも本当に、毎回いろんなゲストの方からお話をお聞きしたり、「とどけるプロジェクト」で記事をインターネットで出したり、地域のいろんな団体や人にチラシをお渡ししたりする中で、本当にたくさんの声をいただいていきまして。それを踏まえて、年明け以降も引き続き、われわれのできることをですね、チームで話しながらやっていこうと思いますので、ぜひ今後ともですね、ウェブサイトやSNSの中でも発信していきますから、年明け以降の配信はちょっとまだ検討中なんですけど、今後も皆さんといろいろお話しながらですね、それぞれにできることを寄せ合ってですね、頼り合いながら、COVIDもそうですし、その後もいろんな困りごとが起こったときに助け合えるネットワークを、広げていきたいと思っています。

ということで年内の配信は今日で一段落なんですが、「とどけるプロジェクト」という任意団体で2月から活動しておりまして、ウェブサイトに来ていただきますと、いろんな困りごと別のですね、お金の悩みとか、気持ちのこととか、子育てのこととか、障害があったり言葉の壁があるときにどうやってコロナのこととかサポートを受けられるのかとかですね、さまざまな声に基づいて、一つひとつ詳しく解説し、相談先につないでいくような記事をたくさん公開していますので、ぜひウェブサイトやTwitter、それからこのラジオの過去配信を見ていただいて、みなさんそれぞれ、必要なもの、お役に立てそうなことがあれば、活用していただいたり、身近なお知り合い、お友達にシェアしていただけると、とってもうれしいです。

ということでですね、本日のラジオ、それから年内のとどけるラジオの配信は、ここまでとなります。皆さん、寒くなってきましたし、感染対応もまだ予断を許さないところですけども、今日の近藤さんのお話にありましたように、無理せず、お互い頼り合いながらですね、日々それぞれにできることを寄せ合って、過ごしていければと思います。私自身もそうありたいと思います。また何かお役に立てることがあれば、ぜひとどけるプロジェクトにご相談・ご連絡お寄せください。

それではみなさん、おやすみなさい。そして、なんと言いいますか、ちょっと早いですけど「良いお年を」と言いますか、2020年、残りを過ごしつつ、また来年も皆さんとお話できればと思います。どうもありがとうございました。さようなら。

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