暴力などの被害を無音で通報・相談する方法 —気づかれたくないときのサイレントSOS—

暴力などの被害を無音で通報・相談する方法 —気づかれたくないときのサイレントSOS—

家庭内などの閉鎖空間で、身近な人物からドメスティック・バイオレンス(DV)(※脚注)などの被害に遭っているとき、外部に助けを求めようとしても、発声を伴う通報や相談は、相手に気づかれる可能性が考えられます。気づかれるとかえって逆上するなど、さらなる恐怖のリスクがあるため、「助けを求めたいのにできない」という状況が少なからず存在していると想定されます。

この記事では、相手に気づかれないよう、無音(サイレント)で、通報や相談などのSOSを発することのできる方法をお知らせします。

110番緊急通報登録システム(110番通報登録制度)


一番のお勧めは、事前に警察に、緊急通報登録をしておくことです。

DVやストーカーで被害に遭っているときは、あらかじめ警察署(生活安全課等)まで相談に行き、申し出ることで、氏名、住所、年齢、電話番号、被害内容などを、警察署のシステムに登録しておくことができます。

登録した電話番号から110番通報すると、警察の通信司令室に登録情報が表示され、発信が携帯電話の場合は、GPS(全地球測位システム)で現在地も特定されます。そのため、登録済みの人が「110」に電話をかけると、居場所や状況を伝えられない状態であっても、警察官が状況を理解して駆けつけてくれます

万が一の緊急事態に備え、少しでも余裕のあるときに最寄りの「警察署」まで足を運び、登録をしておくことをお勧めします

都道府県の警察本部WEBサイトから、地域の警察署の一覧ページを抜き出しました。次のリンク先の中からお住まいの都道府県を選び、警察署の場所をご確認ください。

都道府県ごとの警察署一覧ページ

北海道地方
東北地方
関東地方
信越・北陸地方
東海地方
近畿地方
中国地方
四国地方
九州・沖縄地方

電話のサイレント設定

警察庁によりますと、通報時に電話越しから聞こえる周囲の音が、危険性や切迫性を見極める参考情報になりえるとのことです。声を出せない状態であっても、通話状態でつなげておくことに意味があります

そして、DV等の相手に気づかれずに電話をつなげておくためには、通話音量(ボリューム)を下げ、警察官の音声が漏れないようにする必要があります

多くのスマートフォンで、通話音量は、動画視聴などのコンテンツ音量と設定が異なります。110番通報時、通話ボタンを押したあとに音量を下げてください。

一方、電話の「消音」や「ミュート」と名前のついた機能の中には、スピーカーではなく、マイクの機能をオフにするものがあります。マイクを消音設定にしてしまうと、通報者周辺の音が聞こえず、警察による状況把握が困難になってしまうので、間違えてマイクの消音設定を行わないようご注意ください。

聴覚や言語に障害や困難のある方向け110番アプリ

聴覚や言語機能に障害のある方など、音声による110番通報が困難な方向けに、文字による110番通報ができる「110番アプリシステム」もあります。これも事前にアプリのインストールと情報の登録が必要です。

警察庁によりますと、このアプリシステムは、聴覚や言語機能に障害がある方の利便性を第一に考えて導入されたものであり、それらの通報に支障をきたさないよう、音声による通報が可能な方は音声での110番通報をお願いしたいとのことでした。

無音での相談方法

DV相談+(プラス)

警察への通報ではなく、一度専門の相談員に相談したいときは、内閣府の相談窓口「DV相談+(プラス)」に、無音で相談ができます。

24時間受付の電話相談に加えて、24時間受付のメール相談と、12:00~22:00までのチャット相談があります。相談料はいずれも無料で、安全な居場所も提供しています。

DV相談プラスのサイト(10か国語対応)

メールでの相談 (受付:24時間)

チャットでの相談 (受付:12:00~22:00)

情報提供のお願い

とどけるプロジェクトでは、切迫した状況のときになるべく声や音を出さずに通報・相談ができる方法を探しています。

余裕がない状況では、自分の状況に合った相談先を見極めて選択することは負荷が高く難しいため、なるべく対象(年齢、性別等)や対応日時などが限局的にならないような、いつでも誰でも相談できる場所があればと思っております。

情報をご存じの方は、下記のフォームよりお教えいただけますようお願いいたします。お寄せいただいた情報は、内容を確認したのち、アウトリーチ活動や記事づくりの参考にさせていただきます。

サイレントSOS情報提供フォーム

※脚注

ドメスティック・バイオレンスとは、同居する近親者から受ける暴力行為のことですが、日本では、主に「配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されています。
DVでは、身体的暴力(殴る・凶器を用いた脅し)、精神的暴力(暴言・無視)、経済的な制限(生活費をわたさない・仕事の制限)、性的な暴力(性行為や中絶の強要)などの行為があります。

厚生労働省 e-ヘルスネット「ドメスティック・バイオレンス / DV」より引用

関連記事