もくじ
出産前
立ち会い出産の可否を病院で確認
出産の時をパートナーと共に迎える立ち会い出産は、妊婦さんにとって心強いもの。パートナーにとっても、親になることを実感できる貴重な機会です。しかし、感染拡大を防ぐため、立ち会い出産が制限されている病院も多くあります。
対応は病院によってさまざまで、立ち会いが一切できない場合もあれば、短時間なら立ち会い可能な場合も。また、ガラス越しであれば出産直後にパートナーと赤ちゃんが対面できる病院もあります。
中には、ビデオ通話を介したリモート立ち会いや、職員の方によるビデオ撮影を行うなど、出産の瞬間をパートナーと共有できるよう努力してくれている病院もあるようです。
出産予定の病院で立ち会い出産ができるのか、もしできない場合はどのような対応をしてくれるのか、パートナーと共に確認しておきましょう。
立ち会い出産が可能な病院であっても、パートナーが2週間以内に県外へ行った場合は立会いできないなど、条件が設けられていることがあります。そのような細かい条件も含め、事前に病院側と確認し合っておくことをおすすめします。
入院準備は消耗品を多めに
出産予定の病院で面会が制限されている場合、入院中に足りないものがあっても、その都度パートナーに持ってきてもらうことは難しくなってしまいます。足りないものがなるべく発生しないよう、陣痛バッグ・入院バッグの準備は特に念入りにしたいところです。
陣痛が長時間になった場合に備え、水分やお菓子は多めに。お産用パッド(産じょくパッド)や母乳パッドなどの消耗品も、どれだけ必要になるかは予測しづらいこともあるので、多めに持っていくと良いでしょう。
両親学級に参加できなかった場合は動画などを参考に
妊娠中に赤ちゃんとの生活について学べる両親学級。自治体や病院が開催し、おむつの替え方や沐浴のやり方などを学べる機会ですが、中止になってしまい参加できなかった方も多いと思います。
いくつかの自治体や病院、ベビー用品店の「アカチャンホンポ」などでは、両親学級の内容を学べる動画を無料で配信しています。
動画を見て、これからの赤ちゃんとの生活をイメージしておきましょう。
出産当日~入院期間
面会が出来なくても夫婦でのコミュニケーションは綿密に
入院中の面会が禁止されている場合は、テレビ電話やメッセージアプリなどを使用し、普段以上に綿密なコミュニケーションを夫婦間で取るようにしましょう。
女性は出産当日から育児をスタートさせていますが、パートナーは「妻と赤ちゃんが帰宅するまで、育児の喜びも大変さも感じ難い」という状態に置かれています。
また、産後の女性の心身には、思いもよらなかった変化がたくさん起こるものです。
情報を共有し、お互いの感情のギャップを埋めることで、同じ目線で子育てに取り組みやすくなります。
女性は出産を経ての率直な思いや、赤ちゃんの可愛さ、育児の大変さ、身体の状態など、感じたことを素直に共有し、パートナーもその言葉に耳を傾けましょう。こうしたやり取りが、退院後の生活をスムーズにスタートさせることに繋がります。
退院直後~産褥期
里帰りしない場合の育児について
里帰りしない場合、頼りにしていた実家のサポートを受けずに、夫婦ふたりだけで育児をスタートすることになります。
特に初めての育児の場合、「赤ちゃんに何かあったらどうしよう」「自分のやり方は間違えていないだろうか」と、24時間意識し続けるプレッシャーは大変大きなものです。
ここでも重要になるのは夫婦間のコミュニケーションです。男性も、可能であれば育休の取得をおすすめします。育休が取れない場合であっても、夫婦で話す時間を出来るかぎり作るようにしてください。
COVID-19の感染拡大により普及したリモートワークには、男性が育児に参加しやすいメリットもあります。育休と違い仕事はしなければいけませんが、産後の女性にとっては、呼べば届く場所にパートナーがいるだけでも心強いものです。
夫婦だけで無理をせず産後ケアサービスを利用
育児のプレッシャーからくるストレスや不安は、ひとりだけ、夫婦だけで抱え込まないことが大切です。
「エンゼル110番(森乳コミュニケーション)」や、「日本保育協会」では、子育てや産後の身体にまつわる、無料の電話相談を利用することができます。
また、自治体によっては、産後の家庭向けにヘルパーを派遣するサービスを実施しています。1時間あたり1000円以下で利用できる場合がほとんどで、育児や家事の手伝いはもちろん、産後のさまざまな不安に対してサポートを受けられます。
概要は各自治体のホームーページで確認することができます。
「つらいな」「大変だな」と感じたら、これらのサービスの利用をぜひ検討してみてください。
赤ちゃんを身内に会わせられない場合
新型コロナウイルスの流行後に出産した方の中には、遠方に住む親などに赤ちゃんをなかなか会わせられず、歯がゆい思いをしている方も多いと思います。
スマートフォンアプリの「みてね」など、親戚間で写真や動画を簡単に共有できるサービスがあります。そうしたサービスを利用することで、赤ちゃんを身近に感じてもらえるかもしれません。
ひとり親の方が出産前後に活用できる福祉サービス
すでに子どもがいるひとり親が新たに子どもを出産する前後や、出産してひとり親になった直後から利用できる、「ひとり親家庭等日常生活支援事業」という福祉サービスがあります。
自治体から派遣された家庭生活支援員が、食事や買い物、掃除など身の回りの世話や、医療機関への連絡などの支援をしてくれます。
また、自治体の運用する「子育て支援ヘルパー」をひとり親世帯が利用する際には、利用料が減免となる場合があります。
いずれのサービスも、制度の運用や利用条件は自治体によって異なり、制度のない自治体もあります。詳しくはお住まいの自治体のホームページをご確認ください。
以下の記事には、出産前後の困りごとに限らず、ひとり親世帯の方向けのさまざまなサポート情報をまとめてありますので、必要に応じてご活用ください。
「しんどいな」と感じたときは
平時であっても、出産後の子育ては疲労とプレッシャーが重なり心身の負担となるものです。現在は新型コロナウイルスの影響もあり、これまでよりさらに大きな不安や疲労を感じている方も少なくないのではないでしょうか。
「とどけるプロジェクト」では心のケア方法や、相談窓口などを紹介しています。子育てに限らず、不安や疲れを感じたら、ぜひ参考にしてください。
まとめ
出産や子育ては、母親だけ、夫婦だけで出来るものではありません。はじめての育児であればなおさらです。
家族や支援機関など、身近な人とのコミュニケーションを取りながら、必要に応じたサポートを利用することで、心身の負担を和らげることができるかもしれません。この記事が、その一助になれば幸いです。