子どもと関わる保護者も、ゆったりと自分をいたわるヒント

子どもと関わる保護者も、ゆったりと自分をいたわるヒント

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、状況は日々刻々と変化しています。そのような状況下では、環境の変化に敏感な子どもだけでなく、子どもを持つ保護者もまた、緊張を強いられる毎日を送っています。「大丈夫」と思っていたら、知らず知らず心が疲れていた、ということもあるかもしれません。

例えば今、不安や混乱、怒り、悲しみのような感情を抱くのは自然なことです。むしろ、それは自分を守るための大切な心の働きなのかもしれません。こうした気持ちを消し去ろうとするよりも、自分の感情を受け入れたうえで、少しでもホッとできるような工夫をすることが、子どもと保護者自身と子どもの双方にとって、とても大切です。

「心の疲れ」を知る手がかり

手がかりになるのは、行動や気持ちの小さな変化です。特に身近な存在である家族と共に過ごすときには、普段よりも少しだけ、自分の行動や気持ちに目を向けてみましょう。

  • いつもと違う子どもの行動や普段は気にならない失敗に対して、「自分が悪かったのではないか」などと自分を責めることが多くなった
  • 普段よりイライラしやすい
  • 子どもを叱ることが多くなった
  • わけもなく泣きたくなる
  • 家事や仕事に集中しにくい
  • 家族など、普段会話をしている人との会話がおっくうになった
  • それまで楽しめていたことがあまり楽しめなくなった

このような状態は、自分の心がいつもと違うサインかもしれません。これらのサインは、自分の心の状態を知らせることで自分を守るという、ポジティブな力でもあるのです。サインを上手にキャッチして、「心が少し疲れているかも」と認識することが、心の安定を取り戻す第一歩になります。

心を守るためにできること

  • 深呼吸、ストレッチ、ゆっくりお風呂につかるなど、心身の緊張をケアする時間をつくる
  • 生活リズムをなるべくいつも通りに保つ
  • 「できていること」に目を向けて自分自身をほめる
  • なるべく毎日、「自分だけで一息つける時間」をつくる
  • ゆっくり時間をかけて食事をする
  • 心がきつくなる前に誰かに話す、感じたことを書き出すなど、自分の気持ちを表現する機会をつくる
  • 「○時〜△時はテレビを見ない」など、定期的に情報から離れる時間をつくる

上に挙げたような行動ができるときもあれば、できないときもあると思います。「ちょっと試してみよう」くらいの気持ちで大丈夫。試すのも難しいほど疲れているなら、まずは休息をとりましょう。

心がしんどいとき・困ったときの相談先・保護者向けサービス

これまで、日常的にできる心のケアの方法をご紹介してきましたが、しんどい気持ちが続いたり、なかなか解決できない悩みや困り事があるときは、どうか一人で抱え込まずに、以下のような相談先や保護者向けサービスを利用してみてください。

誰かに話を聞いてもらうことで、気持ちが楽になったり、新しい視点や解決策が見つかることもきっとあるはず。子どもを守りながら日々を過ごしている保護者のあなたにも、たくさんのサポーターがいるということを頭の片隅に留めておいていただければ幸いです。

各自治体の子ども家庭支援センター

子ども家庭支援センターは、市区町村における、子どもと家庭に関する悩みや相談の総合窓口です。お住まいの自治体のセンターで電話相談を受け付けていますので、小さな悩みや些細な困り事でも、まずはご相談ください。各センターの窓口電話番号は、お住まいの自治体ホームページに記載されています。自治体によって名称が違いますので、ネット検索するときには「子ども家庭支援センター」「児童家庭支援センター」「子ども家庭センター」などの後にお住まいの地域名を入れて検索してみてください。

ファミリーサポートセンター

育児を手伝ってもらいたい「依頼会員」と、育児を手伝いたい「提供会員」が参加し、地域で子育てを支え合うサービスを提供しています。地域ごとのセンターに会員登録して利用します。

一般財団法人女性労働協会 ファミリーサポートセンター(外部リンク)

一時保育

普段は保育園を利用していない家庭でも、1日や時間単位で一時的に保育所などで子どもを預かってもらえるサービスです。お住まいの自治体ホームページで、預かり施設や利用方法を確認してご利用ください。各自治体の保健福祉センターや民生課、子ども課などで問い合わせるほか、「一時保育」や「一時預かり 子ども」などの後にお住まいの地域名を入れて、ネット検索してみてください。

ショートステイ(短期入所生活援助事業)、トワイライトステイ(夜間養護等事業)

ショートステイ:事情により、一時的に家庭での子どもの養育が難しくなった場合や、保護者の精神的・肉体的負担の軽減が必要な場合に、子どもを児童養護施設などで預かってもらうことができます(原則的に1週間以内)。

トワイライトステイ:事情により平日の夜間や休日に保護者が不在となり、家庭での子どもの養育が難しい場合に、児童養護施設などで子どもの生活指導や食事の提供を行っています。

いずれも、お住まいの自治体ホームページで預かり施設や利用方法を確認してご利用ください。各自治体の保健福祉センターや民生課、子ども課などでも問い合わせができるほか、ネット検索で探す場合は、「ショートステイ」「トワイライトステイ」の後にお住まいの地域名を入れてみてください。

チャイルドライン

18歳までの子どもが自身が、悩みを話したいとき、困ったときなどにかけられる子ども専用電話。親や身近な大人に言えないこと、ちょっとした不安などを誰かに聞いてもらいたい時に。

チャイルドライン(外部リンク)

オンラインカウンセリング

心の専門家であるカウンセラーに話を聞いてほしい時に。カウンセラーが、悩みやつら辛い気持ちを受け止め、課題の整理や明確化のサポートをしてくれます。民間では以下のようなサービスがあります。

cotree(コトリー)(外部リンク)


参考:

「感染症対策下における子どもの安心・安全を高めるために」 公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(外部リンク)

「新型コロナウイルスの影響で、不安な気持ちを抱える子どもたちの心のケア」公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン(外部リンク)

「8つのヒント:REMEMBER」IACAPAP(国際児童青年精神学会) (外部リンク)

※記事とは一部内容が異なります

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