もくじ
子どもとのコミュニケーションで大切なことー伝え合う
園や学校が再開した地域、まだまだ見通しがたたない地域など、同じ国内でも状況に違いが出てきています。
今の環境に違いがあっても、子どもたちとのコミュニケーションで大切にしたいポイントは、実はとってもシンプルなんです。この記事では、コロナ禍の今だからこそ心がけたい、子どもとの日常的なコミュニケーションのヒントをお伝えします。
基本となるのは、子ども一人ひとりの発達に応じて声かけをしたりサポートをしたりすること。ここでは大まかに、年齢別のコミュニケーションのヒントをみていきましょう。
就学前の子どもとのコミュニケーションー認め合う
この時期の子どもは、まだ言葉を学び、練習している途中です。言葉でコミュニケーションをとるよりも、遊びや身振り手振りなどの様々な方法で大人に何かを伝えてくれています。
言葉かけ
- 子どもの感情や、言動といった様々な表現をまずはそのまま受け取りましょう。
- 受け取った後に、肯定的な言葉を返してみましょう(「言ってくれてありがとう」と伝える、子どもの言葉をそのまま繰り返す、など)。
- 「嫌だったんだね」「うれしいね」など、子どもが言いたいであろう言葉をナレーションしてみましょう。
- 子どもの理解できる言葉で、今の状況を伝えましょう。例) 「病気にならないように、手を洗おうね」
行動
- 毎日の日課を大切にする。
- スキンシップや歌など、子どもと一対一でかかわる時間を作る(ほんの数分でも、しんどくない範囲で大丈夫です)。
- 子どもの「やりたい」を尊重する時間を、一日数分(5分程度)作ってみる(これも、毎日が難しければ無理のない範囲で大丈夫です)。
小学生とのコミュニケーションー学び合う
言葉かけ
- 子どもの感情や、言動といった様々な表現をまずはそのまま受け取り、肯定的に返しましょう。
- 立ち止まっている様子であれば、「一緒に考えよう」など、寄り添う言葉をかけてみてください。
- 「他の人にも聞いてみる?」など、子どもと保護者だけで完結せず、コミュニケーションを広げる姿勢を伝えてみましょう。
行動
- すでにやっていること、できていることに目を向けましょう。それを書き出したり、リストにすることが嬉しいお子さんもいるかもしれません。
- 大人が伝えることだけではなく、子ども自身が理解する、納得することを大切に。
- 子どもにかかわること(一日のスケジュール、家の中での役割、学び方など)は、子どもの考えをまず聴き、話し合って一緒に決めるようにしましょう。
ここで示した年齢は、あくまでも目安です。お子さんの様子をよく見ていただいて、ご家族にとって使いやすいヒントを選んでくださいね。
子どもの力を信じてかかわる
どんなに小さくても、子どもは一人の人間です。大人がそうであるように、それぞれの視点と感情を尊重することから、心地よいコミュニケーションが始まります。
保護者が、子どもとのコミュニケーションを「むずかしい」と感じるのは、まさにその子を一人前の「人」として見て、対等な関係を結べているから。決して、「コミュニケーションがうまくいっていない」ということではありません。
新型コロナウイルス感染症の流行によるさまざまな影響を受けながらも、子どもと日々かかわり続け、家族としてのコミュニケーションを模索することは、とても大変なことだと思います。悩みながらこのページにたどり着いてくださったご自身のことを、まずはちょっと褒めてあげる時間を作っていただけたら嬉しいです。
子どもも大人も、自分が持っている力を信じ、少しでも安心して日々を過ごせますように。
参考:
「新型コロナウィルスに負けないために ご家族向けリーフレット(一般編)」
国立研究開発法人国立成育医療研究センター こころの診療部
「新型コロナウィルスに負けないために お子さんの成長に応じたケア編」
国立研究開発法人国立成育医療研究センター こころの診療部